やんわり行動学
-WANCOLABO-
 D.I.N.G.O.インストラクタートレーナー 山越 哲生の「やんわり行動学」 3

 般化と弁別

家の中で「オスワリ」と言えば座るのに玄関ではできない、とか
人が座っているときは「フセ」で伏せるのに立っているとできない…

という事はよく起こります。

犬は学習の過程でいろんな「条件」を関連付けます。
その「条件」が変わると「別のパターンだ!」と解釈してしまうのです。
文頭の例では、前者は「場所」が違い、後者は「人の姿勢」が違うのです。

このように「違い」を見分ける能力を「弁別」と呼びます。

その反対に「共通」の部分を見つけ出す能力が「般化」です。

                    Surprised

今から100年ほど前にアメリカでワトソンという学者が「アルバート坊やの実験」を行いました。

乳児(アルバート坊や)が白ネズミを怖がらないことを確認した後、

白ネズミを見せてから大きな音で乳児を驚かせました。何度か繰り返すと

白ネズミを見ると恐れるようになり、それまで怖くなかった白いウサギや犬、

白い毛の付いたお面、脱脂綿までも恐れるようになったのです。

(なんて醜い実験でしょう!)

「白い毛」という共通部分を見つけ出しそれと「怖い音」とを関連付けたのです。

                    Undecided

犬は本来「弁別」が得意で「般化」が苦手です。

しかし、恐怖反応に関しては「般化」がおきやすいことが知られています。

犬に何かを教える時にはいろんな場所で、いろんな姿勢で、と環境を変えて

練習をすることが大事です。

また、怖がるものには慣らし続けないと似たものを怖がり、

ますます怖がりになることが良くあります。

お気をつけ下さい。

D.I.N.G.O.インストラクタートレーナー 山越 哲生の「やんわり行動学」 2

消去のバースト

犬が飼い主様に何かを要求した時は「無視」しましょう!

というのを聞かれたことはありますか?

犬は結果で学習しますので(詳しくはまたの機会に!)

飼い主様の反応がご褒美となっている場合、

無視することは一つのよい解決法です。

 Surprised

ところが無視することで「なくなるはず」の行動がより酷くなってしまうことがあります。

これが消去のバーストといわれる現象です。

それまで毎回得られていたご褒美が急に得られなくなると一時的に

「これでもか!」と行動が爆発的に増えます。

そのまま無視をし続ければ行動はいずれ消えますが、途中で我慢できずに

返事をしてしまうと「これくらい呼ばないと伝わらないこともあるんだな」とより酷くなってしまうので

注意が必要です。

Laughing

少し簡単な例をご紹介しましょう。

あなたは毎日決まった自販機でコーヒーを買っているとします。

ある日いつものようにコインを入れてボタンを押しましたが缶コーヒーは出てきません。

もう一度、ボタンを押してみます。出ません。

さらにボタンを押してみますが出ません。

少しイラつきながらガチャガチャと数度ボタンを押してみても出ません。

「チェッ!」とあなたは立ち去ります。

次の日にも試してみたくなるかもしれませんが、何度か試せばもうその自販機では

コーヒーを買わなくなりますよね。

(ちなみにガチャガチャと強く押したときに缶コーヒーが出ていれば次からこの自販機では

 ガチャガチャと強くボタンを押すようになるでしょう!)

 Yell

これが、一度学習した行動が消えていく時によく起こることです。

無視するなら徹底的に!!

 D.I.N.G.O.インストラクタートレーナー 山越 哲生の「やんわり行動学」 1

  今月から不定期でコラムを書くことになりました山越です。

よろしくお願いいたします。

当店は「科学的なアプローチ」をテーマとしています。

このコラムでは「科学的」って何なのか?を

皆さんに「やんわり」ご説明していくことにしました。

Smile

「犬育て」をする上で必要な「科学」とはどの分野のことかと言うと

まず「動物行動学」。犬の生態や本能について観察を通して

なぜその行動をしているのかを考える学問です。

次に「行動分析学」。心理学の一分野で

どうすれば行動を変えられるかを考える学問です。

「社会生物学」は進化の過程で

なぜその行動をとるようになったのかを考える学問。

「生理学」は体の反応や仕組みを考える学問です。

もちろん僕は学者ではありませんので、詳しくは専門書を見ていただくとして

僕の理解する範囲内で、これらの「あんなこんな」をランダムに

気の向くままに書いていきます。

Smile

初回は「プレマックの原理」。

 しょっぱなから「?」かもしれませんが、ご褒美をどう考えるかに関係があります。

堅っ苦しく言うと

「発生率の高い行動を、発生率の低い行動に対する報酬として使う」

ということです。

簡単に言うと

元気に走り回るのが大好きな犬に

「走らせて(高い発生率)あげるから、オスワリ(低い発生率)」しなさい。

ということです。

子供が「遊びの前に勉強する」とか犬に「サークルから出すときにはフセをさせる」

と言うのはよく聞きますね。

犬が望む行動を、こちらがさせたい行動の「ご褒美」として

使うというお話でした。

我が家の犬達

我が家には2頭の犬がいる。

彼女らは、僕の布団の中で眠り (1頭は入ってくれない)

クレートからは自由に出入りし、

バーベキューでもやろうものなら肉や骨をパクパク

食べた後のテーブルの周りで拾い食い。 

お客さんが来れば「わんわん」吠え、

飲み水がなくなれば恨めしそうに (?) 水入れと僕を見比べる。

冬にはマットそっちのけでファンヒーターの前を占領し、

散歩に行けるとなれば玄関から飛び出し興奮して 庭を走り回る。

こんな家庭犬たちである。  

  しかし、「今日はハウスで寝て」と言えば朝までぐっすりクレートで過ごし、

僕の布団に入るときも「どうぞ」の言葉を座って待ち、

バーベキューでは投げてもらうのを伏せて待ち「ヨシ」で

テーブル周りのお掃除、

来客に吠えても「静かに」でひと段落、

ファンヒーターの前では「どいて」で場所をゆずり、

庭で走り回っていてもリードを持てば前に来て座る。

こんな家庭犬たちでもある。   

飼い主の承諾があれば、何でもありの犬どもなのである。 

              D.I.N.G.O.インストラクタートレーナー  山越 哲生


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